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伊達淳一先生:Premium Soft GNDフィルター、Dual Purpose フィルターの魅力

August 27, 2019

ボクが、本格的にKANIの角型フィルターを使い始めてから約1年が経過した。それまでは別のメーカーの角型フィルターを愛用していたのだが、SNS等でKANIフィルターの評判を耳にし、本当に噂どおりの優れモノかどうかをこの目で確かめてみようと、定番中の定番「SOFT GND 0.9 100x150mm」を購入したのが、KANIフィルターとの初めての出会いだった。  

 

さっそく使ってみてKANIフィルターの素晴らしさにすっかり惚れ込んでしまった…、なんていうのが、一般的な広告企画的なストーリーだが、実際には、個人的に許容できない不満点があったのだ。確かに、色かぶりの少なさとグラデーションのなめらかさという点では評判通りのクォリティなのだが、問題は、反射防止コーティングが弱く、それまで使っているハーフNDフィルターに比べ、ゴーストが目立ちやすいのだ。厳密には、ND部分のコーティングはしっかりマルチコートになっているのに、透明部分はモノコートのように光を強く反射してしまう。

 

おそらく、ND部分と透明部分で色味が変化しないように反射防止コーティングの特性を変えているのかもしれないが、レンズ面の反射が角型フィルターの透明部分の裏面に再反射して、それが運悪く画角内に戻ってくると、フィルター起因のゴーストが発生したり、レンズ前枠の化粧板や鏡筒内の部品の反射が写真に映り込んでしまうのだ。いわゆるフィルターとレンズ面で面間反射を起こしてしまうのだ。  

 

とはいえ、面間反射が起きても画角外に光が逃げて画面に映り込まないレンズもあるし、夜明け前・日没後など、太陽のように強い光源が画面内に入らないシーンであれば、特に大きな問題なく使用できる。ただ、ボクが角型フィルターを使いたいと思うシーンの半分は、画面内に太陽や街灯など強い光源を含むシーンなので、できるだけフィルター起因のゴーストが出にくいというのが、フィルター選びの重要なポイントとなっている。まあ、夜明け前からスタンバって撮影しようという根性がないだけなんだけどね(笑)。

 

■フィルターメーカーによる面間反射の違い ソニーFE24-105mm F4G OSSは、逆光でもゴーストが生じにくいレンズだが、レンズを前から覗き込むと、第2群のレンズを固定する枠が光って見える。フィルターを装着しない場合は、この反射は画角外に逃げていくのでゴーストとしてクッキリと写り込む恐れはないが、フィルターを装着するとレンズ固定枠の反射がフィルター後面に再反射して、特に強い光源が画面中央にある場合には大きなゴーストとなって写り込んでしまう。この例は、わざとゴーストが目立つ位置に太陽を配置して撮影したものなので、上の空が間延びし、こうした構図で撮影する意味のない写真になっているが、もし、上の方にフォトジェニックな雲が焼けていたら、この位置に太陽を入れて撮る可能性は十分にある。残念ながら、従来のKANI SOFT GND 0.9は、太陽を直接画面内に入れた撮影には不向きだった。

 

※下記以降の作例写真等は、すべてJPEG撮って出しで撮影後の画像処理は一切行っていない素の状態です。

 

 

 フィルターなし

 

 A社の角型フィルター

 

 B社の角型フィルター

 

 KANI SOFT GND 0.9  

 

さて、太陽など強い光源があってもゴーストが出ないようにするのはどうすればいいのか? 究極の解は、どんな角度から光が入射しても、一切の光が反射しない完璧な反射防止コーティングを誇るレンズを使うこと。撮影レンズ面や鏡筒に強い光を当てても、まったく光を反射しなければ、フィルターに光が跳ね返ってこないので、フィルターの反射防止コーティングが弱くても面間反射は起こらない。しかし、そんな完璧な反射防止コーティングは残念ながら存在しないし、レンズ設計者もレンズや鏡筒に反射して外に逃げていく光については、フィルターさえ装着しなければ画面に映り込む心配はないので、さほど積極的に対策しているわけではない。つまり、フィルターを装着してゴーストが増えてしまうのは、フィルターを使う側の自己責任。面間反射によるゴーストを減らすには、やはり反射防止コーティングができるだけ優秀なフィルターを選ぶしかないのだ。  

 

話をKANIフィルターに戻そう。面間反射の起こしやすさという点では、従来のKANIフィルターのコーティングは、他社に比べ、正直、見劣りする部分があった。そんなとき、KANIの日本国内広報担当者からfacebookのMessengerでご意見を伺いたくとコンタクトがあった。飛んで火に入る夏の虫である(笑)。そこで、KANIフィルターの色かぶりの少なさやグラデーションの良さについては十分評価しているが、とにかく反射コーティングが弱すぎて他社に比べて面間反射が出やすいことを、他社との実写比較を添付して、嫌がらせのようにゴーストが盛大に出ている写真を送りつけた。

 

KANIフィルターがスゴいところは、ユーザーのクレームや意見を真摯に受け止め、フットワーク軽く行動に移す点だ。面間反射でゴーストが出やすいので、もっと反射防止コーティングを強化したフィルターに改良して欲しい、という声から生まれたのが、Premium filterシリーズだ。  現在、Premium化されているのは、Premium LR MC SOFT 0.9、Dual Purpose GND filter 0.75、Premium LR MC Center GND 0.9/1.2、Premium LR MC Hard GND 0.6、Premium LR MC Reverse GND 0.6、Premium LR MC Wide Reverse GND 0.75。これ以外のGNDフィルターも順次Premium化を図っていく予定だという。このPremiumシリーズが登場したことで、本格的にKANIフィルターを導入し始めたというわけだ。  

 

では、従来製品とPremiumシリーズでどれくらいの差があるか、実写で比較検証してみよう。

 

■お台場夕景

Premium化されていないREVERSE GND 0.6で撮影したカットは、画面右下にゴーストが生じているが、Premium LR MC SOFT 0.9で撮影したものは、フィルターなしのカットと比べ、ゴーストは増えていない。緑の淡く小さなゴーストは、フィルターなしのカットにも写っているので、これはレンズ起因のゴーストだ。ソニーFE24-70mm F2.8GMは、レンズ前玉が比較的フラットな形状をしているので、レンズ面の反射が外側に逃げにくく、フィルター後面に再反射しやすい。そのため、従来製品だと太陽を画面内に入れて撮影すると、ゴーストが出やすいが、反射防止コーティングが強化したPremiumシリーズなら、ゴーストはほぼ目立たない。

 

 フィルターなし

ソニーα7RIII FE24-70mm F2.8GM 絞り優先オート F11 1/80秒 +2/3EV ISO100 WB:オート クリエイティブスタイル:夕景

 

 REVERSE GND 0.6 ソニーα7RIII FE24-70mm F2.8GM 絞り優先オート F11 1/80秒 +1/3EV ISO200 WB:オート クリエイティブスタイル:夕景

 

 Premium LR MC SOFT 0.9 ソニーα7RIII FE24-70mm F2.8GM 絞り優先オート F11 1/50秒 +2/3EV ISO200 WB:オート クリエイティブスタイル:夕景

 

■山中湖花の都公園のひまわり

従来のSOFT GND 0.9で撮影したカットを見ると、左下に円弧状のゴーストが生じていて、左下の大きなヒマワリも半分だけレフ板が当たったように明るく照らされている。これらはいずれもフィルターの反射。ヒマワリを照らしているのはフィルター前面に太陽の光が反射したもの、ゴーストはレンズ面に当たって反射した光がフィルター後面に再反射してゴーストとして写り込んだものだ。Dual Purpose GND filterは、名称にPremiumとは謳っていないが、正真正銘、Premiumシリーズで、太陽の光がND部分で減光されたことでレンズ起因のゴーストも低減、フィルターなしで撮影したカットよりもむしろゴーストは少なくなっている。

 

 フィルターなし

パナソニックLUMIX G9PRO LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 絞り優先オート F8 1/400秒 2/3EV補正 ISO200 WB:太陽光

 

 SOFT GND 0.9

パナソニックLUMIX G9PRO LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 絞り優先オート F8 1/250秒 2/3EV補正 ISO200 WB:太陽光

 

Dual Purpose GND filter 0.75

パナソニックLUMIX G9PRO LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 絞り優先オート F8 1/250秒 2/3EV補正 ISO200 WB:太陽光  

 

さて、面間反射によるゴーストは、大きく分けて2つのタイプがある。ひとつは、レンズや鏡筒内パーツからの反射、もうひとつはレンズ前枠やフィルターホルダーの反射だ。前者は、面間反射を起こしにくい光源の位置を探して構図を工夫するか、反射防止コーティングが優秀なフィルターに買い換えるしか対策法はないが、後者は反射する面に植毛紙やつや消しの黒テープなど反射を抑える素材を貼ることで、面間反射によるゴーストやフレアを低減できる可能性がある。  

 

特にレンズの名前や焦点距離などが白い文字で化粧板に刻印されているレンズは、文字がうっすらと読めるくらい写り込んでしまうケースもある。こうした現象が起きたら、レンズに黒いつや消しテープを貼ってみて、角型フィルター使用時にゴーストが薄くなるか、チェックしてみよう。もし、これでゴーストが低減するなら、レンズ前枠の反射が原因だ。

 

 植毛紙を貼る前

 

 植毛紙を貼り付けた後

 

フィルターホルダーもステップアップリングを併用していると、ステップアップリングに光が反射して、それが写り込んでしまうケースも考えられる。夜、街灯などを画面内に入れて、フィルターありとなしで露出オーバー気味に撮影すると、フィルター起因のゴーストがどこにどの程度発生するかチェックできるので、気になるゴーストが発生するようであれば、どこに反射した光が原因なのか、怪しいところをつぶして対策していこう。

 

 フィルターなし

 

 SOFT GND 0.9

 

 SOFT GND 0.9(前枠に植毛紙)

 

 Premium SOFT GND 0.9

 

  Premium SOFT GND 0.9(前枠に植毛紙)

 

ソニーFE16-35mm F4Z OSSで撮影。前枠にレンズ名や焦点距離等が白文字で刻印されていて、逆光シーンをワイド端で撮影すると、従来のSOFT GND 0.9装着時には面間反射によるゴーストが写り込み、なんとなく文字がわかるほど。反射防止コーティングが強化されたPremiumシリーズを使えば、レンズ起因のゴースト以外は目立たない。レンズ前枠に植毛紙を切り抜いて貼ったり、つや消しの黒テープを細かく切って文字の上に貼れば、従来のSOFT GND 0.9でもゴーストは大幅に目立たなくなる。ただし、レンズ面やレンズ鏡筒内部の反射が起因のゴーストに対しては、植毛紙対策は無力だ。  

 

また、角型NDフィルターやホルダー付属のPLフィルターは、反射防止コーティングがしっかりとしているので、光量は損するが、レンズ側にPLフィルターやNDフィルターを装着、対物側にハーフNDフィルターをセットすると、ハーフNDフィルターの透明部分の反射が弱まり、面間反射によるゴーストを多少低減できる。  Premiumシリーズのほうがコーティングにコストがかかるので、従来製品よりも2,000〜3,000円価格が高くなっているが、太陽を画面内に入れてもゴーストがかなり目立ちにくいので、太陽を画面内に入れて撮影したり、街灯の多い都市夜景でハーフNDを使うなら、Premiumシリーズを強くお奨めする。

 

■作例

・DUAL PURPOSE GND 0.75使用 ・未使用比較写真